南信州で育まれた木材で作る

『三つのフロアーのあるくらしの提案』

-3階建の家-

※ 「三つのフロアーのある暮らし」パンフレットダウンロード(PDF)

なぜ木造3階建てなのか、良く質問されるのですが・・・。

確かに木造3階建ては土地の狭い都会の分譲地に建築するイメージがあるのですが、私達が描いているイメージは3階建てと言うよりも2階建て+小屋裏(ロフト)のイメージなのです。

「写真提供 岐阜県白川村役場」

日本の民家は元々屋根勾配を利用して小屋裏空間を利用している例がとてもたくさんあります。代表的なものは岐阜県白川郷の「合掌造り」 や北関東から甲信に見られる「かぶと造り」で2階以上の階に堂々と屋根裏空間が拡がります。 私が住む南信州では「本棟造り」と言う民家の様式がありますが、主には養蚕をする場所として積極的に利用して来ました。

現行の建築基準法では2階建てで小屋裏を利用しようとすれば天井高の制限(1.4M)と床面積の制限(2階部分の1/2)があり居室で使用する事はできません。

周囲の建物と高さは変わらない

間口が4間(7.28M)に5寸勾配の切り妻屋根を架けたら一番高いところは1.8Mになりますが、利用する場合はわざわざ1.4Mで天井を貼る事になります。 これは2階建ての木造住宅は建築基準法の4号特例により構造計算をする必要がない事が起因しているのですが、 (小屋裏にあまり荷物を載せないようにしている)逆に構造計算して安全を確かめれば小屋裏全体を使用できる事になります。(確認申請、登記上は3階建て)

そんなわけで3階建てなのです。でも、あくまで小屋裏利用なので建物全体の高さも2階建てと変わりませんし、 建築費も構造的な工夫によって+α程度で抑えられます。又納戸としての用途だけでなく平均で2.1M確保できれば居室(子供部屋、寝室)としても利用できるので、 普通の2階建てと比べてプランに余裕が出来ます。

子供部屋や趣味の部屋として
利用できるロフト


普通の2階建てより堅固な構造になる。

土間から2階へ
大きな吹抜けも構造設計により安全を確かめることができる。

ロフト付き住宅はそんなわけで構造計算(許容応力度設計)が必要になりますが、 2階建てまでに求められている壁量計算等に比べると格段に精度の高い計算を行います。 又、通常地震力や風圧力を壁に伝達する役割を持つ水平構面(床組み、屋根組み)も床面が一つ増える事により(同じ高さの場合)構造的にも安定します。


住宅の地産地消

2階からロフトへ上る階段を見る。
空間と一体になった広々とした空間

身近にある桧や杉材等を使って住宅を建築したい。その建物の内部空間は出来るだけ自由にしていろんなプランを可能にしたい。 そんな思いからこのロフト付き住宅のベーシックモデルを考えました。

集成材や合板を否定するわけではありませんが、この程度の規模の建物なら身近にある無垢材だけで構成できる事を証明したかったし、 (同時に限界点の把握)現場でのごみ処理の問題も出来るだけこのベーシックモデルは解決しておきたかった事があります。 遠くから運搬してくる材料はCO2排出の問題があり、現場では梱包の処理や端材の処理にいつも悩まされます。 無垢材ならば出た端材はすべて薪ストーブ等で処理が出来るし、近くの工場から現場直送なので使いまわせる現場シートがあれば梱包は入りません。

住宅の地産地消は我々の様な林産地で生活する者にとっては大切な産業であろうし、川下の都市部と手を結びつく大事な手段です。 地元材をきちんと使いこなすためには、まずは普段地元材を使用している我々の様な建築会社が、 その利点と欠点を把握しながら取り組むことが必要だと思っています。 「伊那谷ベーシック」と名前を付けてから数多くの地域材の家を建築する機会に恵まれましたが、あれから10年、 少しずつですが伊那谷ベーシックは進化しています。


大蔵建設株式会社  代表取締役社長 大蔵実(一級建築士)

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